「容疑者Xの献身」を見ました。

容疑者Xの献身」は東野圭吾原作の、フジテレビの月9ドラマ「ガリレオ」の映画化。というか映画化ありきでドラマ化したんですけどね。一応ネタバレなしです。

徹底したドラマ版との差別化

コミカルなシーンが多かったドラマ版とは違い、映画版では重厚な人間ドラマが展開されます。予告では「天才対天才」なんて煽ってますが、メインは登場人物の心の揺れ動きでした。タイトルバックで「vs. 〜知覚と快楽の螺旋〜」が流れず*1、おなじみの数式を書きまくるシーンもなし、そもそもタイトルに「ガリレオ」と付いていない、と意図的にドラマと違うこととアピールしてますね。
そしてホントなら、映画化ありきでドラマを作ったのに全然それぞれの雰囲気が違うじゃん!なんて文句の一つも出そうなんだけど、そんなことが気にならないくらいよくできていました。

MVPは松雪泰子

松雪泰子がすごかった。いやすごいのは知ってたけれど、ついこの前「デトロイトメタルシティ」で社長やってた人と同じ人とは思えません(笑) 花岡靖子がいかに守りたい存在であるかを描けるかにこの映画の説得力はかかっていたと思うのですが、十分伝わりました。
ずっと死んだ魚のような目をしていた堤真一も良かったです。←この書き方じゃ褒めてるのかわからないな(笑)

ミステリーとして

直木賞をはじめ国内の各賞を総なめした原作を2時間に詰め込むのはなかなか難しかったと思いますが、まぁ上手くまとまっていたと思います。トリックも大満足。やっぱミステリーは倒叙モノですよ。あんまミステリー読まないけど(笑)。福山版ガリレオシリーズ完結篇(ですよね?)にふさわしい作品になったと思います。

*1:バラードバージョンは流れましたが