「それでもボクはやってない」の結末に納得いかない人へ

昨日の土曜プレミアムで「それでもボクはやってない」が放映されました。僕は映画館で見ましたが、テレビで見た人達の評判も(ネット上で見る限りでは)いいみたいですね。ただ、やっぱり「結末が…」とか「救いが無い」といった感想が多い気がしました。僕も見終わった後はそう思いました。ですが、「それでもボクはやってない」のパンフレットを読むと、結末についての考え方が変わると思います。
その内容を手短にまとめてみます。当たり前ですが、ネタバレです。ここから↓
そもそも「それでもボクはやってない」はどういう結末だったでしょうか。金子徹平(主人公)が日本の裁判制度と懸命に戦うも、有罪になって終わり?…違います。ラストシーンで徹平は叫びます。「控訴します!!」と。控訴した、という事は高等裁判所でさらに戦うわけです。まだ有罪だとは確定していません。
そして、徹平のこれからについて、パンフレットにはヒントとなりそうな、興味深い情報がいくつか書いてありました。重要な所だけまとめてみます。このパンフレットには下記以外にもたくさんの有益な情報が載っているので、映画や裁判に興味を持った人は買って損はないです。

  • 一審が無罪だった場合、高裁で逆転有罪になる事例は約7割*1
  • 逆に有罪だった場合、高裁で逆転無罪を勝ち取れる可能性は少ないがある
  • 却下されてはいるが、ずさんな証拠や証人の請求をしている
  • 高裁でひっくり返った判決が最高裁でまたひっくり返る可能性は、ほとんどゼロ

つまり?

  • 高裁でひっくり返せば無罪
  • 逆転するための布石(証拠の請求)を荒川弁護士(役所広司)は一審で打っている
  • むしろ一審で無罪判決が出ていたら、高裁で逆転有罪になる可能性が高かった

「一審の有罪は、徹平が高裁で無罪を取る伏線になっているかもしれません」(周防監督)

どうですか?実は救いのある結末だった、というわけです。
ちなみに僕は映画を見てる途中、徹平に無罪判決が出て「しめしめ…実は痴漢してたんだよ」みたいなオチを想像してました(笑)。それじゃ冤罪事件を描く社会派映画にならない(^_^;)

*1:映画でも徹平を支援していた佐田が逆転有罪になるシーンがありました